吃音は音を発するときにたまに詰まる障害であり、対面で人とコミュニケーションを取るときだけに支障をきたすものではありません。
電話や、スピーチ、独り言なんかでも詰まりますね。
ちなみに独り言では、吃音が出ない人は多いようですが、私は出ますね。
カラオケだとなぜか詰まらずにスラスラ歌えるんです。
リズムに乗っているからかな??
電話を苦手とする人は多い印象ですね。
人によって皆違います。
私も電話で大きな苦悩を味わったことがあります。
前回の、「いらっしゃいませ」が言えないのと似てはいるのですが、「お電話、ありがとうございます、株式会社〇〇の〇〇と申します」
だいたいどこの会社も電話に出たらまずはこちらがお決まりのセリフですね。
「お電話ありがとうございます」が言えないのです。
だったらもう、いきなり「株式会社〇〇の〇〇と申します」といきなり名乗ってましたが、まぁ注意されるんですよね。
「お電話、ありがとうございます」と言いなさい。と…..
この状況マジで勘弁してほしい。
再び電話が鳴って、出てみるとやはり言えない。
とにかく電話してきた人のご用件聞かないといけないし、言葉なんてなんでもいいと思った。
「はい、もしもし〇〇です」「はい!!」「こんにちは」「どーも」
ご用件さえ聞ければいくらでも言い換えは聞くと思うのですが、言い換えた言葉ですら詰まることだってあるんです。
この時は不安が大きすぎたのか、原因は分かりませんが別の言葉を頭に思い浮かべてたとしても、それが一つも言葉に出せなかった。
電話に出ているんです。
声が一切出せないんです。
電話で相手の声が「もしもーし、もしもし??」「あれ、聞こえてます?」
15秒ほど私は一切声が出せずに相手の声だけが耳に聞こえてくるだけという謎の状況。
やってはいけないことですが、耐えられずに電話を切りました。
となりにいた店長から「え、何がしたいの??」「誰からの電話??」「対応できないなら電話に出るなよ」
店長、そして別のバイト仲間からの何とも言えない視線。
あまりの異常な空気に、耐えられなかった。
前もって、「あ、今行ったら多分言葉が出せない」とある程度予測することはできるのですが、それがかえって吃音に対する不安や意識が強まり、本当に言葉が出せなくなるんです。
これを予期不安と言います。
予期不安|吃音の症状 東京吃音改善研究所 – 東京吃音改善研究所
この電話の時は、予期不安は一切なく言葉が出せると思って電話に出たのですが、突発的に言葉が詰まってしまいました。
予期不安があることによって言えないであろう言葉を予め言い換えて頭で文章を作っておいたり対策ができるのです。
しかし名前や住所のように言い換えられない言葉に対して予期不安が出ているとどうすることもできなくなってしまうのです。
どんなシチュエーションにも適応できる対策方法があれば楽なんだけど。
言い換えや、相手に言ってもらうなど。
波があったり、指摘されて意識が強まって悪化したり、言い換えの聞かない言葉があったり。
指摘されるとむしろよくなる時もあるんです。
何が吃音を悪化させて、何があると喋れるようになるのか。
自分でもよく分からない。
そんでもって周りの人に見えてないから、いざ真剣に告白してみると
「いや、今喋れてるじゃん」
「たまに言葉が出せなくなるんです」
「俺だって緊張してると言葉が出せなくなることあるよ」
吃音って辛いよね。
人が死ぬような問題だと思うのに、理解させる方法もなければ治療法もない。
できないことをやれって言われる。
目が見えないのに、字を読めって言われてるようなものです。
苦しくないわけがない。
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